自分のお気に入りの服からパターンを起こす 囲み製図

洋服のリフォーム

原型を使わない囲み製図。よくみかけます。

私的には原型は作っておいた方が後後の応用の幅が広がるのでいいとは思いますが・・・

家庭洋裁での基本のパターンの作り方はまた後日まとめたいと思います。

今回は気慣れた服と同じものを作りたいという友人のリクエストに応えて、既製服からパターンを起こしてみました。

特に平面的なゆとりの多い日常着のパターンをつくるとか、

普段自分のお気に入りのお洋服からパターンを起こしたい場合は囲み製図がいいかもしれません。

それでも原型のことを知ってバストポイントやダーツの位置や、体形の標準寸法をもとに作図すると囲み製図もより楽に作図できます。

しかも自分にフィットしたお洋服が作れます。

今回は縞間道柄の和服をほどいたもので作成したので、前身ごろを反物の幅(38㎝)に収めるためウエストダーツをたたんで、肩から切り開いたパターンに変更しています。

出来上がったものは、切り替えの位置はほとんどわかりません。

もとになる服の実際の寸法を測定する。

この場合は方眼のあるカッティングマットがあると平置きの寸法が取りやすい。

中心部分から襟ぐりが何cmのところにあって、肩下がりは何cmあるかで作図していく。

縫い代1㎝つきのパターンをつくるのがよい。まず、中心からネックポイント(首の付け根)までを実測して、肩下がりはネックポイントから何cm下げた位置かなどの記録メモをもとに作図してみる。

もとになる服とは違うもののメモですがこのようなメモがあると参考になる。肩下がりは、後ろ見頃と同寸。平面的な服のパターンや直裁ちの場合の参考になるので、計っておくと便利。

反物の幅に合わせて、パターンを加工する

  • 反物は36㎝幅なので、当然前身ごろはどこかでつながないととれない。前中心で接ぐデザインならよいが、今回は前中心は縫い目がないので、バストポイント位置のウエストダーツをつまんで、肩に切り開くデザインにした。
  • パターンができたら、最後縫い合わせる箇所を突き合わせて、なだらかになるか裾線などを引き直したりする。
  • 「わ」や縫い代の確認。今回は切り替え線に縫い代がついていないパターンになってしまったので、そこを間違わないように裁つ書き込みが必要。

前身ごろは反物の幅では取れないので、ダーツをつまんだ位置で切り替え線を作る。わになる位置には「わ」と書いておく間違えずに済む この場合切り替え線には1㎝の縫い代がついていないので、裁断の時に要注意

裁断・・・キズや染むら、色あせなど、充分に事前にチェックする。

切り返し位置に、縫い代を取ったところの図。見返しの型紙は別に起こすのがよいが、わたしは見返し3センチ幅の線はダブルルレットや三角チャコなどを使って直裁ちすることが多い。慣れてきたら、充分フリーハンドでカッティングできる。

今回布が変則すぎるのと、意外な場所に傷があったりで、裁断にとても手間取った。スカートのギャザーの量は素材にもよるので、今回は袖の部分を4枚接いだ。

裁断した後思わぬ場所に傷がみつかり、ダーツでごまかしたりしたが、リサイクルの場合は裁断前の入念なチェックが要る。

襟ぐりはバイアステープで始末する

肩をつないでバイアステープ二つ折りで始末する。必ず縫う前テープはアイロンで癖づける

そでぐりは見返しで始末する。

そでぐり見返しも表と同様肩でつないで、合わせて縫う。

脇は見返し縫い代を上にあげたまま、見頃脇、スカート脇と続けて縫うのが初心者向きには操作しやすい。

が、見頃脇と見返し脇を縫ったわの状態で、つけてもOK。どちらかというとこちらの方がおさまりはよい。

その場合は必ず、画像とは逆の見頃の裏返しで縫うこと。

カーブのきついところの縫い代はこまめに切り込みを入れて、返す。

今回のワンピースとは違うが、見頃と見返しの脇を先に縫って取り付ける場合は、画像とは逆に見頃の裏返し状態で縫う。

バイアステープをカットするときも45度の線があるマットが重宝する。

ループでボタンとめが意外に早くカンタン

開きの始末は色々ある。今回の基はファスナーがついていた。ファスナーはコンシールがつけやすい。

しかし、意外に重宝なのは、ループでボタン式

まずボタンホールを開ける手間が省けるし、打ち合わせが要らない。夏は特にもってこいの始末。

ループづくり。 バイアステープを二つ折りにして縫う際に糸を挟み込んで縫ってそのまま糸を反対側から返す。「ループ返し」というもののあって便利。やり方の理屈は同じ。毛糸針を後から通してもいいかもしれない。縫い代は縫った後で2㎜くらいにカットする。

ループはもう一つつける方がよい。

スカートはギャザーをよせ、上衣とつなぐ

平面的な着衣はスカートはただの長方形でよい。体形によっては、前下がりを付けた方がよかったりするが、ゆとりのあるものなら、直線断ちでOK

ギャザーを寄せる場合は、その分量を横に足す。ギャザーをよせ、脇を縫う前に上衣と縫い合わせる

ウエストのギャザーは3の縫い目で2本同時に寄せて均等に上衣とあわせる。4等分のノッチ(切り込み)を合わせる。縫う前にギャザーをアイロンで抑える。

仕上げ・・・着装した場合の活動量やしわになる部分をチェック

元にはそでぐりがかなり下がっているので、このような当てがついている。もとが縦布のようだが、バイアス仕立ての方がフィットしやすい。作ったものは正方形を三角に折ったバイアスを付けてみた。

元のワンピースと比較すると、反物の耳端が傷んでいたので、前身ごろのギャザー量が少なくなってしまったが、着用した感じは品のよいワンピースになっていた。

次回はこのパターンを利用して、ご本人が適度なアレンジを加えて自作されるそうです。

洋裁は和裁のようなこれといった流儀はないので、思いつくまま出来上がりを想像しながら、縫い方も色々です。とにかく何度もやってみる。慣れるのが一番ですね。

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